【いちじく】11月の管理

今回は11月の基本的な作業と管理を説明します。ただし、その年の気候や栽培場所の環境、管理の状態により生育状況は変わりますのであくまでご参考までとしてください。この記事では「秋果」のいちじくを前提に記載しています。11月の管理についてわかりやすくとことん丁寧に解説していきます。

11月の管理

収穫は終わりを迎え、葉は落葉する

結論から言いますと、11月は自然と葉が黄色くなり落下できるように管理していきます。11月は休眠期に入るための準備期間です。冬に枯れないために、そして来年の初期生育にも影響するため、とても重要な期間です。

主な栽培管理

  • 防除

まず、防除なのですが、11月の防除の必要はありません。あえて、あげるとすれば、落葉した葉を綺麗に取り除き、掃除をしてあげるくらいです。いちじくは病気の元となった菌やウィルスと一緒に葉を落とし、身を守っています。地面に落ちた葉は土に分解され、病原菌やウィルスは土の中で越冬します。そのため、病気を保有している可能性のある落ち葉を集め、処分することが防除となります。

  • 施肥

この時期、気を付けたいのが「肥料の与えすぎ」です。いちじくは気温が下がると葉を落として休眠の準備に入ります。動物で例えるなら冬眠に近いです。この時期に土の中の窒素量が多いと、葉はいつまでも茂り、緑色をしています。この状態で心配なのが、休眠の準備ができずに本格的な冬を迎えたときに枯れてしまう可能性があることです。

例えば、森の熊が冬眠をせずに起きたまま冬を迎えたら、食べるものがなく餓死してしまう可能性があります。同じように、いちじくも低すぎる温度では葉は十分に光合成ができませんし、根は活動が鈍くなり、腐りやすくなります。根から水や空気、栄養を吸い上げますが、人間でいうと口がふさがり、食道に食事が通らず、呼吸がまともにできないような状態です。このような状態では植物もいずれ枯れてしまいます。この時期の施肥で「お礼肥」というのがありますが、私は不要だと考えてます。行う場合はほんの気持ち程度に抑えておきましょう。

  • 水やり

土が乾燥しないよう気を付けます。しかし、気温も低く、根の活動も少しずつ鈍くなってきている時期でもあるため、数日に1回、土やいちじくの様子をみながら与えています。

鉢で育てている場合、私は、夜の気温がぐっと低くなるまでには土の中の水が乾くことを見越した水の量にとどめています。また、気持ちの問題ですが与えた水が鉢のなかで冷たくならないように、水やりを行う時間帯も早朝や夕方は避け、気温が上がってくる9~11時の間を目安に行うようにしています。

地植えのいちじくには、私は水やりを行っていませんが、こちらも様子をみながら乾燥でいちじくが弱らないように、適度に水やりを行うようにしましょう。

成長が遅い果実について(オイル処理)

最近は11月になっても日中の気温が20度を超えることもあり、未熟果が枝にあるのであれば、まだ収穫が望めます。しかし、熟す速度も落ちてきますので、実が熟しきれない可能性があるときは、オイル処理を行うことで熟期を早めることができます。

オリーブオイルを水で薄め、スプレーで実に吹きかけると熟期が早まりますので興味があるかたは試してみてください。オイルに含まれるオレイン酸がエチレンに分解され、熟期が早まります(エチレン処理)。

ビオレソリエス2
桝井ドーフィンやビオレソリエスは11月でも収穫が見込める

以上、11月の栽培管理でした。それでは良いいちじくライフを♪

11gatu
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