こんにちは!「いちじくびより」です。今年は初めていちじくの挿し木に挑戦し、いちじくの栽培に夢中になって駆け抜けた1年でした。会社を辞めて、いちじく農家になるために活動していましたのでかなり真剣に取り組みました(笑)。挿し木苗を鉢で育ててきましたが、今回は「挿し木で使用した土」について振り返ります。
鹿沼土が一番良い
さまざま土を試しましたが鹿沼土が一番発芽も発根も安定して良い結果が得られました。赤玉土は発芽が良い一方で、発根が遅れていたものが多かったです。なお、培養土などは菌がいるため有機質を分解します。発芽・発根の早い4月以降の挿し木であれば使っても良いかもしれませんが、イチジクの穂木も分解がすすみ、腐ってしまう恐れがありますので挿し木では使用しません。
鹿沼土を使うメリット
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価格が安い
筆者は、ホームセンターで「200円/14L」の鹿沼土を使用しています(ケーヨーD2)。100円ショップでも購入できますが、割高になるためホームセンターで購入しましょう!
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発根がしやすい
保水性、通気性ともに良いため、他の土に比べて発根が安定しています。
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土の色で乾燥具合が判断しやすい
保水具合で土の色が変化します。水を十分に含んでいるときは茶色、乾いたときには白っぽい色になります。土が乾いたサインがわかりやすく、水やりを行うタイミングがわかりやすいのが特徴です。
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潰れても通気性・排水性が保たれる
鹿沼土は脆いですが、潰れても通気性・排水性が保たれます。
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無機質土
挿し木は菌がいない(少ない)ことと、肥料がないことが条件になります。鹿沼土はどちらの条件も満たしています。
他の土について(赤玉土 など)
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赤玉土
鹿沼土と同じく無機質土で、通気性・保水性が優れているため、イチジクの挿し木で使用されることが多い土です。しかし、脆いため潰れやすく、潰れた赤玉土は通気性・排水性が悪くなる欠点があります。筆者の場合、赤玉土の挿し木は発芽については問題ありませんでたが、発根については鹿沼土に比べて良くない結果となりました。
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培養土(園芸用)
肥料が入っているため、使用できません。肥料が入っている土を使用すると発根しにくくなります。また、有機質を分解する菌が入っているため、穂木が分解されて腐ってしまう恐れがあります。
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挿し木用の土
価格が高いためおすすめしません。バラやブルーベリーなど、穂木が細いものを挿し木するときに使用します。イチジクの挿し木でも問題なく使用できますが、イチジクの穂木は太くてしっかりしているため、多少粒があっても安価な鹿沼土で十分です。粒の大きさが気になる方は、鹿沼土を少し潰して細かくするか、細粒のものを使用すると良いでしょう。
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コケ系の土(ピートモス、ココピート等)
酸性がとても強いため、念のため卵の殻(有機石灰)を少量まぜて使っています(イチジクはアルカリ性を好むため。なお、鹿沼土は弱酸性)。挿し木や緑枝挿しで発芽・発根ともに確認できました。しかし、乾燥しやすい一方で、鹿沼土ほどの見た目の変化はありません。水やりの管理のしやすさから、鹿沼土のほうをおすすめします。
以上です。安い鹿沼土が粒の大きさが不揃いなため、次回は石で少し砕いて細粒に近い大きさで揃えてから挿し木をしたものと、そのまま挿し木をしたものとを比較して使ってみたいと思います。それでは素敵ないちじくライフをお過ごしください♪「いちじくびより」でした!