【イチジクの管理】11月の黄色くなった葉は摘み取るべきか、考察してみた

こんにちは!「いちじくびより」です。11月に入り夜温もグッと低くなってきました。イチジクの葉も黄色に色づいてきたものや葉が少しずつ茶色く変化してきたものが目立ち始めました。そこで今回は黄色くなったり弱ってきた葉を自然落葉させるべきなのか、人為的に摘み取るべきなのか考察してみました。葉が落葉するメカニズムも含めて解説しています。ぜひ最後までご覧ください。

結論:自然落葉させるべき

イチジクは気温が下がり始めると落葉の準備に入ります。この「準備」とは、冬に備え、葉に含まれる養分の一部を回収することを指します。

葉にはタンパク質やカリウム、リン、マグネシウムなどが含まれていてこれらの回収が終わると枝と葉柄の間にできた「離層(コルク状の層)」の形成が完了し、落葉します。

冬の厳しい寒さを乗り切るための、また来期の初期成育に使用される養分が回収できるため、自然落葉させたほうが理にかなっていると考えます。

ただし、農業の現場では収穫の終わりとともに葉を摘み取ってしまうケースもあります。冬の対策は藁を巻き、初期成育は葉面散布などで養分やミネラルを補給したり、土壌づくりで養分の効率的な吸収を計っているためなのかもしれません。

 

「気温が下がったことにより黄葉」した葉が今回のテーマです。栽培期間中、病気の症状がかなり進行したでている葉は、その都度積極的に取り除いたほうが良いでしょう。混同されませんようにご注意ください。

自然落葉させる過程で枯れた箇所に胞子がつきはじめることがあります。この場合は葉を除去したほうが無難です。

 

補足

イチジクの葉は黄色く「黄葉」します。これはマグネシウムを回収する過程で葉緑素であるクロロフィル(緑の色素)が分解され、分解の遅いカロテノイド(オレンジ系の色素)が残るためです。カロテノイドが分解されると茶色く変色します。

トリード・ポルケロール
黄葉は養分の回収が始まっている証

落葉はきれいに片付けよう

落ちたイチジクの葉はそのままにせず、拾い集めて処分します。秋まで頑張って残った葉ではありますが、病気の原因となる糸状菌の冬胞子(越冬するための菌)が付着している可能性があるためです。

糸状菌の胞子は冬の間、落下した葉や果実、枝の中、そして土に還り、土壌の中で越冬したりと様々です。栽培園地に残しておくと来年の栽培で病気を引き起こす原因になる可能性があるため除去します。

今回は以上です。

お願い

SNSで当ブログの記事を参考にした内容を投稿する際は当ブログ「いちじくびより」のご紹介いただけますと幸いです。当ブログを閲覧いただいたかたに有益な情報をご提供できますよう、記事を書く際には信用のできる機関の論文やHP、書籍やルーラル電子図書館(年間22,000円)など、時間やお金をかけて調べたうえ、内容を吟味して可能な限り自身の体験も踏まえて文章を作成しています。時には直接、農林水産省や各都道府県農研機構、肥料・農薬メーカーに問い合わせを行い、また、複数のエビデンスの取得に努めています。ご理解、ご協力のほど、宜しくお願いいたします。

 

ブログのほかに、InstagramYouTubeもやっています。YouTubeはできれば2022年以内に1本動画を作成したいのですが、なかなか手が付けられていません。それでも応援、ご期待いただけましたらとても嬉しく、励みになります。フォローチャンネル登録のほど、宜しくお願いいたします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

黒く焦げたような症状がでたのち、黄化した(そうか病?)
最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE