黒船来襲!いちじくの新たな脅威!クビアカツヤカミキリに懸賞金!?10匹500円

今、中国大陸原産の「クビアカツヤカミキリ」が国内で猛威をふるっています。サクラやモモなどの樹木に寄生し、樹木を衰弱させ枯死させる危険性のある特定外来生物です。食害が進むと枝が落ちたり、木が倒れたりする可能性があり、下にいる人にあたると大変危険です。また、寄生され衰弱した樹木は開花時期に花が少なくなるなど、私たちにとって大切な桜の木での被害報告が関東・関西を中心に相次いでいます。現在はコロナでお花見を自粛する状況が続いていますが、お花見が解禁され、その被害が世間に知れ渡るころには手遅れになっているかもしれません。今回はそんな「クビアカツヤカミキリ」についてまとめています(一部、画像提供:埼玉県環境科学国際センター )。
クビアカツヤカミキリは特定外来生物に指定されています。生きたまま持ち運ぶことや飼育することは法律で禁止されています。捕獲した場合はその場で駆除してください。

懸賞金がかけられている地域も

埼玉県行田市では2021年7月1日より、10匹駆除ごとに500円分の行田市商店共通商品券1枚を発行するキャンペーンが始まりました(行田市民に限る)。また、群馬県館林市では、2019年より、1匹あたり50円の謝礼が支払われるキャンペーンが始まっています。

クビアカツヤカミキリはいちじくの害虫となりえるのか?

現時点では、いちじくで被害がでているという情報はありません。主にサクラやバラ、ウメ、モモなど、バラ科の樹木での被害が報告されていますが、行田市のホームページ上では他にも、柿やオリーブ、ハコヤナギ、ザクロ、コナラ、ヤナギ等の樹木でも幼虫の寄生が報告されていることが記載されています。筆者の見解ではいちじくも在来のカミキリムシ同様に寄生の対象になると考えています。天敵も少なく、使える農薬も少ないため、被害が広がると果樹農家は廃園するしかなくなります。

クビアカツヤカミキリの特徴

成体の体長は2.5~4cm(触覚含めず)です。触覚は長く5cmほどあり、日本のカミキリムシに比べると大きいです。筆者も埼玉県行田市にて捕獲しましたが、とにかく大きいですし、パワフルです。捕まえるとキィキィ鳴いて暴れます(とにかく怖い)。全体に黒く光沢があり、最大の特徴は胸部にあたるクビが赤いことです。幼虫は2~3年間、樹木に寄生し、樹木を食べて成長します。成虫は6~8月出現し、成体は一か月程度で寿命を迎え、冬は越しません。繁殖力が強く、一匹の個体の雌が大量の卵(数百個)を産み付けます。雌の触覚は雄よりも長いため、見分けがつきます。

クビアカツヤカミキリの生息が報告されている地域

環境省によりますと、関東地方では東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、関西地方では大阪府、奈良県、三重県、和歌山県、その他の地域では愛知県と徳島県で見つかっています。飛び地的に拡がっていますので、今後、いつ、どこの地域で見つかってもおかしくありません。

クビアカツヤカミキリの侵入した樹木の見分け方

樹木に直径4㎜ほどの穴が開いています。この穴は樹木に侵入し、食害するための穴(食入孔)か、穴からカミキリムシが出た後の穴(脱出孔)になります。穴の下、木の根元、幹の間、葉の上などに、木くずが溜まっています。これは「フラス」といい、木くずとフンが混ざったものが山になっているため、見つけやすいです。クビアカツヤカミキリムシは主に古木や大木、弱っている木に寄生しやすいです。

カミキリムシの幼虫のフンと木くずが混ざった「フラス」。(埼玉県行田市武蔵水路沿いにて)
脱出孔
クビアカツヤカミキリ成虫の脱出孔

駆除方法

穴の中にいる虫はカミキリムシ用のキンチョールなど薬剤を注入して駆除します。樹に穴をあけて取り出す方法もありますが、公園の木など、公共物の破壊は器物損壊にあたる可能性がありますので止めましょう。
捕まえた成虫は踏みつぶすか、水や酒の入った容器に入れて溺死させて駆除します。

私たちが気をつけること

家庭の庭に、伐採した木をそのまま放置していませんか?伐伐採した樹木もカミキリムシのかっこうの産卵場となります。伐採後の木も速やかに処分しましょう。

 

以上です。今回は全国的に問題となっている「クビアカツヤカミキリ」について特集しました。

クビアカツヤカミキリ
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